眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「なつにぃ。
進路希望の用紙なんて忘れないでよね」

晩ごはん食べながら、ちょっと責める。

「ごめん。
ゆずちゃんとはいつも話してるから、聞いてるつもりになってた。
……就職希望、だっけ?」

「うん。そう」

「お金のこと気にしてるんだったら、大丈夫だよ、大学行っても」

ちょっとなつにぃの表情が曇った。

……就職するの、反対なのかな。

「教師の僕がこんなこというの、ダメな気もするけど。
でも、大学出てた方が後々、選べる職業も増えるから」

「けど私、あたま悪いし……」

「そんなことないよ。
ゆずちゃんはいままで家のことが忙しくて、勉強の癖が付いてないだけ。
だから大丈夫」

なつにぃはそういうと、私のあたまを撫でた。
そんなことされると、そうなのかな、って信じそうになる。

「もうちょっとよく考えて。
資料とか必要なら、揃えるから」
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