眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「……あんまり興味ない」

「あ、じゃあ紫子さんが通ってたとこは?」

「お母さんが?」

「確か関西の……管理栄養士の資格が取れるところで……」

なつにぃの指がパソコンのキーを叩く。
指の長い、大きな手。
この手が私は大好きだ。

「あった。
ここ、ここ。
資格とって給食のおばちゃんしてたんだよ。
……おばちゃんっていうと殴られたけど」

懐かしそうになつにぃは笑ってる。
私はそんな人だったんだ、くらいにしか思えないけど。

「そっちの方が興味もてるかも。
料理好きだし。
でも、県外は……」

「私立だったら、家から通える範囲であるよ」

「……私立、お金かかるもん」

「ゆずちゃん。
僕だってゆずちゃんのために、ちゃんと貯金してるよ?
ストレートで合格してくれれば全然問題ないから」

真剣になつにぃが見つめる。
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