眼鏡とハンバーグと指環と制服と
一日中、居心地が悪かった。

時々誰かがふざけて、「月原」って呼んでくる。
無視してると、何度もしつこく。
堪らなくなって振り返ると、失笑が起きた。

亜紀ちゃんと香織ちゃんが庇ってくれるんだけど、ふたりにも嫌な思いをさせ
ていて、申し訳なかった。


放課後、意を決して体育教官室にいってみた。

亜紀ちゃんがついてくるって言い張ったけど、頑なに断った。

ドアの前で深呼吸。
心臓が、口からでそうなほど、ばくばくいってる。

コンコン。

「はい」

「失礼します」

ドアを開けると、吉永先生と舞園先生。

……それに城崎先生。

吉永先生がいてくれてよかった。

「七尾か。
なにか用か?」

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