眼鏡とハンバーグと指環と制服と
吉永先生がそっと、城崎先生から庇うように立ってくれる。

……でも。

「城崎先生に用があって。
……あの、城崎先生!すみませんでした!」

「はあっ?」

無関心を装って、城崎先生がこっちを見る。
怯みそうになるけど、ちゃんといわなきゃ。

「その、このあいだは私も態度が悪くて、すみませんでした。
先生はわざわざ心配してきてくれたのに、悪かったです。
それに、その、な、月原先生が城崎先生に怪我をさせてしまって、すみません
でした」

「なんだー?
七尾は自分が悪いって反省して、俺にあやまりに来たのかー。
偉いなー。
それに比べて月原先生は俺に怪我させた癖に、謝罪の一言もないけどなー?」

私が謝罪してあたまを下げると、猫なで声で、城崎先生は急にニヤニヤ笑い出
した。

……気持ち悪い。
反吐が出る。

でも、夏生が城崎先生に怪我をさせてしまったことは事実だ。
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