眼鏡とハンバーグと指環と制服と
『はい。
柏木です』

「あ、あの、七尾夕葵と申します。
おはがきいただいて、その、あの、」

『本当に七尾夕葵さんですか?』

「はい、そうです」

『まさか、お電話をいただけるとは思っていませんでした。
申し遅れました、私、柏木敦之と申します。
芝浦会長の秘書をしております』

「あの、夏生が学校に戻れる方法があるって本当ですか?」

『はい。
本当です。
詳しい話をお聞きになりたいですか?』

「はい、ぜひお願いします」

『では……』

柏木さんと次の日、学校帰りに会う約束をした。

携帯切ってため息をついたと同時に、ドアがノックされてびっくりした。

「ゆずちゃん?誰かと電話してたの?」

「あ、うん。
亜紀ちゃんと。
明日家庭科の時間に持ってくものの確認」
< 469 / 613 >

この作品をシェア

pagetop