眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「……そりゃどうも」

ニヤニヤニヤニヤ、笑ってる千ヶ崎にむかつく。

「でもさー、ほんとはいっつもくっついてる、月原センセイがいなくて泣いて
るんじゃないのー?」

「なっ、そんなこと、あるわけっ、」

「……千ヶ崎くん。
話があるなら、あっちでしようか?」

悔しくて、反論しようとしたら、なつにぃがシートを立った。
やっぱりゆるゆる笑って、あたま半分下にある、千ヶ崎の顔を見下ろしてる。

「なに?彼女を莫迦にされたって、怒ってるわけ?」

生意気にも、ニヤニヤ笑ってなつにぃの顔見てますが。

……そのなつにぃ、本気で怒ってるから!
そんなふうには全然見えないけど、すっごい怒ってるから!

「違うよー。
七尾さん、すっごく迷惑してるみたいだし。
大体、用があるのは僕の方でしょ?
ほら、あっち行ってよく話そうか?」

なつにぃは笑顔を浮かべたまま、千ヶ崎を連れて歩き出す。
千ヶ崎は舌打ちすると、そのままついて行った。


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