眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「ああ。
晃匡様はあの程度の大学に二浪しているんです。
しかも、真面目に勉強されればいいものを遊んでばかりで。
きっと今年は留年されますし、たぶん大学に在学できる年数、いっぱいいっぱ
いいらっしゃるかと。
だから下手すれば、一浪して入学されても、六年制の薬学部に通うあなたの方
が早く卒業できるかもしれません」

「……そう、ですか」

「はい」

……うわーっ。
久々に毒舌柏木さんだよー。
私と初対面のときもそうだったけど。

「……あの、ちなみに『あの程度』って」

……うん。
すっごい高レベルでないのはわかる。
だって、私の知らない大学だし。
でも、柏木さんに莫迦にされるレベルって、私が思ってるよりは高そうな。

「ああ。
かろうじて中レベルに引っかかってるような大学です。
そうですね、夕葵さんが以前目指してた大学よりは下、です」

「そうなんですね……」

……いいのかなー、旦那さんより奥さんの方が高学歴、って。
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