眼鏡とハンバーグと指環と制服と
というか、晃匡さんの悪口いうの、すっごい生き生きしてるなー。

「いろいろなにか心配されてるようですが。
問題ないです。
すべて会長のご意向ですから」

「どういう……?」

「晃匡様はああいうお方ですから。
会長は夕葵さんに期待を寄せておいでです」

「でも、私、あたま悪いし……」

「ご自分を卑下なさらないでください。
あなたは努力家です。
私が無理だろうと出した課題も、必死でこなしてきた。
正直初めは、合格など無理だと思ってました。
でも最近は、もしかしたら、いやきっと、合格すると思っています」

「……そう、ですか?」

「はい」

自信を持ってそういわれ。
嬉しくなった。

合格できそうといわれたことも嬉しかったし……なにより。
柏木さんに褒められて嬉しかった。

でも同時に、胸の奥がちくりと痛む。

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