眼鏡とハンバーグと指環と制服と
でも意外と、行きつけのところがあるらしい。
今度、連れて行ってもらおう。


午後の最初は、会長にコーヒーを持って行く。

「午後のコーヒーをお持ちしました」

「…………」

やっぱり会長は、私をじろりと見ただけで、なにもいわないで新聞に目を落と
してた。

その後はお仕事のお手伝い。
いわれるがままに資料を入力していく。

いまは新しい薬の認可が下りるかどうかの瀬戸際なんだそうだ。

やっぱり柏木さんは忙しく電話をしたりしながら、合間で私の指導をしてくれ
る。

無理なお願いをしたんじゃないかとちょっと後悔。
柏木さんの仕事、増やしてるだけだもん。


定時の鐘が鳴って、今日はもう帰る、っていわれた。
仕事は大丈夫なのかなって思ったけど、持って帰ってやるから平気です、だっ
て。
いままでも極力マンションでやってたらしい。

……というか。
あのスケジュールのどこで、仕事してたんだろ?
謎だ。
< 547 / 613 >

この作品をシェア

pagetop