眼鏡とハンバーグと指環と制服と
こんなふうに笑ってる柏木さんは珍しいけど、私なんか、そんなにおかしいこ
といったのかな?

「我が社でも受け入れはしています。
それで真面目に働いてくだされば問題ないんですが、中には遊んでばかりの方
もいらっしゃいます」

「……はい」

「会長は不真面目な方がお嫌いです。
ですから、せっかく楽がしたくて天下ってきた方を、簡単にクビにしてしまい
ます」

「えっと。
それって問題になったりしないんですか?」

「そうですね。
現に不当解雇だといくつか裁判にもなっています。
でも、会長としてはそういう方に使うお金があるのならば、その分を新薬の開
発につぎ込んだり、開発に尽力してくださってる方々のために使いたいと思っ
ています」

「……立派な方なんだ」

「まあ、感じ方は人それぞれです」

そういいながらも。
柏木さんの顔は、誇らしげになってた。
そんなにおじいさまのこと、尊敬しているんだ。

「……あ。
でも、それだったら、晃匡さんのこととか、凄く嫌いなんじゃ」
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