眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「おかえりなさい。
おじいさま、は?」

「ただいま戻りました。
会長は過労だそうで。
しかし、年齢が年齢ですから、しばらく安静にしていただきます」

「……そう、ですか」

……とりあえず、心配はしなくてよさそう?
でも、毎日忙しそうだったし。
よっぽど疲れてるんだろうな。

「あの、お見舞いとか……迷惑、ですか?」

「きっとお喜びになると思います。
明日はまだちょっと無理ですが、明後日くらいだったら」

「はい。
じゃあ、お願いします」

「かしこまりました」

……柏木さんは喜んでくれるっていったけど。
どうなのかな?
だっていつもコーヒー出すたびに不機嫌そうだもの。
かえって具合、悪くならないかな?


翌日の柏木さんは会長が倒れたせいか、いつも以上に忙しそうだった。
それでも明日は、私を会長のお見舞いに連れて行ってくれるのだという。
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