眼鏡とハンバーグと指環と制服と
顔上げたら、なつにぃはいつもみたいに、ふふって笑ってた。
その顔見たら、何故か機嫌が直ってた。

なつにぃの笑顔って、不思議。


水族館に着いて、なつにぃが左手を差し出してくる。
素直にその手に、自分の右手を載せた。

なつにぃは嬉しそうに笑ってる。
私も嬉しくて笑ってた。

一緒にお魚を見て、ペンギンに手を振ったり。
イルカショーでちょっと水浴びちゃったりして。
小さな子供みたいにきゃーきゃーふたりで騒いで、凄く楽しい。

こんな気持ち、久しぶり。

ショーが終わってお弁当を食べた。
なつにぃは唐揚げばっかり食べてる。
ほんとに唐揚げ、大好きだもんね。

お弁当食べ終わったら、また手を繋いで見て回る。

帰りに、売店で私の大好きな、ペンギンのストラップを買ってくれた。


一日疲れるほど遊んで、水族館を出る。

駅に向かう道に行きかけたら、こっち、って手を引っ張られ、手を繋いだまま
バスに乗せられた。
< 56 / 613 >

この作品をシェア

pagetop