眼鏡とハンバーグと指環と制服と
その後は入試の日まで、勉強漬け。

お正月のことをおじいさまに聞いてみたかったけど、入試がすむまで先延ばし
にした。
おじいさまが合否の如何に関わらず、終わったら食事に連れて行ってくれるっ
て連絡くれたから。

だから、そのとき聞いてみようと思う。


入試の日、会場までは柏木さんが送ってくれた。
こういうときはもしものときのために、公共の交通機関を使うものだけれど、
「なにがあっても時間までに絶対に送り届けますから、大丈夫です」と自信を
持っていわれた。

始まるまではドキドキしてたけど、いざ問題を見ると、すぐにリラックスでき
た。

……だって。
どの問題もどこか見覚えがあったから。

あれも、これも、よく見れば柏木さんが教えてくれたものの応用だ。
落ち着いて解けば大丈夫。
それに今年は絶対に受かる必要はない。


……試験が終わってみると。
意外なことに解答欄は全部うめられた。
合ってるかどうかは別にして。
リラックスして解けたからか、それとも自分が思ってた以上に勉強が身につい
てたのか。
ちょっとだけ、結果が楽しみかも。
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