眼鏡とハンバーグと指環と制服と
……次の瞬間。
私は夏生に強く抱きしめられてた。

「な、夏生!?い、痛い!」

「あ、ごめん。
つい……」

力は緩めてくれたんだけど。
それでもやっぱり夏生の腕の中。

「いいの?ほんとに?」

「……うん。
いままでいっぱい、心配かけてごめんね」

「いいよー、別に。
……じゃあ」

首にかかってたチェーンから指環を抜くと、私の左手を取って、薬指に嵌め
る。
じっと見つめられて目を閉じると、唇が重なった。

……戻ってきてから、初めてのキス、だ。

「夕葵。
僕の大事な大事な奥さん。
世界一愛してるよ」

「私も夏生のこと、世界一愛してる」

……眼鏡の奥の目が、眩しそうに細くなってた。
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