眼鏡とハンバーグと指環と制服と
だから写真婚で……っていったら、また反対されて。
何故かあっという間に勝手に手配され、挙式は今日神社で、披露宴は道場の懇
親会と兼ねる、ということになっていた。

「夕葵きれい」

「ほんときれいだ、夕葵。
……歳にぃ、見えてるか?」

『くそっ。
俺も行きたかったのに!』

今日のために、亜紀ちゃんと香織ちゃんは帰ってきてくれた。

……というか。
私のメイクさんは香織ちゃんの紹介の人。
だから、香織ちゃんは助手よろしく、いろいろしてくれてる。

歳にぃは帰国の手配が整わず、ビデオチャットでの参加。

……しかし、勇にぃの結婚式のときは帰ろうとしなかったのに、私のときは帰
りたがるってどうなのよ?

「あんなに小さかった夕葵ちゃんがとうとう花嫁か。
淋しくなるな」

「あらあら、お父さんたら」

「えっ。
あ、おじさん、別に遠くに嫁ぐわけじゃないですから」

「親父、いま泣いてたら亜紀のときはどうするんだよ?」
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