眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「亜紀のときは泣くわけない。
やっと片付いたーって喜んでる」

「お義父さん、亜紀ちゃん拗ねちゃいますよ」

涙ぐんでるおじさんに焦る。
喜んでくれるのはいいけど、泣かれるのはちょっと。
勇にぃも加代子さんも笑ってる。

「夕葵ちゃんがいなくなったときは、どうなることかと思ったわ。
夏生くん、しばらく家に閉じこもって出てこないし」

「富栄さん、すみません……」

「まあこれで、わしは心配事がなくなったから、いつでも君ちゃんに会いに行
けるがな」

「なにいってるんだ。
親父にはまだまだ、長生きしてもらわなければ困る」

「そうですよ。
大先生も富栄さんも、もっと長生きしてもらわないと」

みんなとっても、嬉しそう。

……近藤家のみんなにも、道場の人たちにもたくさん心配かけた。
もしかしたら今日の結婚式は、私たち以上に嬉しいのかもしれない。


半ばお祭りのイベントに組み込まれてたので、ギャラリーがいっぱいだ。
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