眼鏡とハンバーグと指環と制服と
なんか注目されて緊張するんだけど、夏生から全部じゃがいもだって思ってた
らいいよ、っていわれた。
僕は毎回、そう思ってやってたから、だって。

神殿で三三九度の杯を交わす。
それだけで胸がいっぱいで、涙が零れてた。

……ここまでほんと、いろいろあった。
教師と生徒で結婚して、バレないようにひやひやしながら生活して。
バレたときも大変だった。
芝浦の家に行ってからは夏生と柏木さんのあいだで揺れた。

……でも。

これからは夏生の奥さんだって胸を張っていえる。
凄く、倖せだ。


披露宴が行われるホテルでお色直し。
和装も洋装も見たいという、まわりの意見のおかげ……というか、私には決定
権がなく。
勝手に選ばれていた桜色のカラードレス。

……まあ、仕方ないけどね。
七割方秘密裏に準備が進められ、ほぼサプライズだから、今日。

「白無垢はきれいだったけど、ドレスは可愛いね」

「夏生は着物もタキシードも、どっちもかっこいい」

目が合って……夏生は私にキスした。
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