眼鏡とハンバーグと指環と制服と
教室で休んでたあいだの復習なんかしていたら、香織ちゃん——沢城香織(さ
わきかおり)ちゃんが来た。
開いてたノートと教科書を閉じる。

「もう勉強?無理しなくていいよ」

「でも、結構遅れちゃったから。
ノート、借りてもいい?」

「いいけど。
でも亜紀の方が適任だと思うよ」

香織ちゃんは自分の席に鞄を置くと、私の前の席に座った。
そのまま、休んでたあいだのことなんか、いろいろ教えてくれる。

声を出して笑って、こんなのって久しぶり。

「夕葵、香織、おはよ」

チャイムが鳴り始めると、香織ちゃんが座ってた席の持ち主、亜紀ちゃん——
近藤亜紀ちゃんが登校してきた。

「亜紀ちゃん、おはよー」

「学校では久しぶりだな、夕葵」

亜紀ちゃんが席に着くと、がらりとドアが開いた。

「席に着いてー。
ホームルーム始めるよー」

教室に入ってきたなつにぃ——月原先生は私と目が合うと、ちょっと心配そう
な顔をした。
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