眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「うん。
なつにぃ、どうしたの?」

ドアを開けると、普段飲み会帰りだとほんのり赤くなってるなつにぃが、普通
と変わらない様子……というか、若干焦って立っていた。

「ごめん。
大事な話があるから、ちょっといい?」

「……うん」

……こんな時間に、大事な話?
一体、なんだろ?
なんか凄く、不安。

「あのね?
今日、教頭先生も一緒だったんだけど。
ほら、最近、クラスで僕たちのこと、夫婦みたいに扱うの、流行ってるでし
ょ?」

「うん」

リビングに降りて、ソファーに並んで座る。
なつにぃは何故かぎゅっと、私の手を握った。

「それで、ね?
なんか酔った勢いだったとは思うんだけど、教頭先生、僕たちが本当に結婚し
てるんじゃないかって、疑い出して」

「……え」


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