ベンチの二人
「…おう、わかった。15分くらいで着くと思うよ。」
そう言って俊哉は携帯を切った。と同時に溜め息も出た。
おそらく彼女は僕の誕生日を祝ってくれるつもりだろう。
一度待ち合わせして、それから彼女の家に行くことになるのだろう。そう考えると少し気が滅入った。
こういう事になるのが嫌で、あえて自分から誕生日の話題はふらなかった。しかし彼女はしっかりと覚えていたのだった。


…それも携帯の番号まで。

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