白と黒〜2つのリストバンド〜
「…?」


「お前がプレーしたくてうずうずするようなプレーしてやるよ!!」


「!………楽しみにしてるっ!」


そう言って私は背を向けた。


「あ、もういっこ!」


空の声に振り返ると


「…っ…!?」


空は私に何かを投げた。


「………リストバンド?」


私の手の中には黒いリストバンドがあった。


「お守り、試合終わるまで持ってろ。」


「………じゃあ……」


私はかばんの中から自分の白いリストバンドを取り出して空に投げた。


「…それも…お守り」


言うのが少し恥ずかしくて声が小さくなる。


「サンキュ」


空は嬉しそうに自分の右手につけた。


「………じゃあね」


「おう」


私は空に手をふって家に入った。
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