白と黒〜2つのリストバンド〜
「…言いたいことはそれだけ?」


「……」


「さら、あなたがどう思っていても、私が何を言っても事実は変わらない。

けれど、今日の試合には関係ない。

私は今日プレイヤーじゃない、前の試合で私がどんなに失敗してても今日戦う空たちには関係ない。」


今は…


「私は空たちの試合を見に来たの。どいて。」


「…」


さらは黙って道を開けた。私はさらの横を通り走り出した。


早く…早く体育館に…


試合は随分前に始まっていた。


「…」


今は…


『みにこいよ』


空をっ…!


バタンッ


私は勢い良く体育館の扉を開けた。


プレイヤーたちに目を向けると、ちょうど空がボールを持っていた。


「空っ!!!」


大きな歓声の中私は叫んだ。


「空っ!!!負けるな!」


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