白と黒〜2つのリストバンド〜
空は華麗にブザービートを決めた。


たくさんの歓声と供に選手たちは体育館を出て行った。


「………」


『お前がプレーしたくてうずうずするようなプレーしてやるよ!』


昨日の空の言葉を思い出した。


まるで、空はあのシュートで私に『あきらめるな』って言っていたように感じた。


「………」


空はボールを持った時点で残り10秒でも諦めなかった。


私も…!!


午後6時、試合が終わりみんなが帰ったあとの体育館で私はボールを手にとった。


「…」


私は右手についている空のリストバンドを見た。


タン タン タン タン─────


『大丈夫』


静かに目を閉じると空の声が頭の中で響いた。


『大丈夫だよ』


「!」


私は目をあけてシュートを打った。


─────────────シュッ


「……………………入った…」


入ったっ………!!!


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