白と黒〜2つのリストバンド〜
私たちは他愛ない会話をしながらケーキを美味しくいただいた。


私が食べ終わったお皿を片していると美久がソファーから立ち上がった。


「じゃ、出かけるよ!!」


「さっきも言ってたけど、どこいくの?」


「まずは準備だね〜」


私の問に答えず、美久は2階に上がって行った。


「え、ちょっ、美久?!」


私は吹いたお皿を片付けて美久を追いかけた。


美久は私の部屋で私のクローゼットをあさっていた。


「……何してるの?」


「クローゼットあさってるの。」


自分で言っちゃった…


「なんであさってるの…?」


心の中でツッコミを入れながら美久に聞き直した。


「何着せようかと思って」


主語を言ってくれ…


「私はきせかえ人形じゃないよ…」


「わかってるよ〜。あ、可愛いワンピース!」


美久はクローゼットの奥の方から、花柄のもらってから一度も着たことがないミニワンピースを取り出した。


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