白と黒〜2つのリストバンド〜
「ううん、私こそありがと。私のわがままに付き合ってくれて。」


「うん。」


2人で微笑んでいると、美久は少し先の信号の方を見た。


「どうかした?」


「あれ空くんじゃない?」


「え?」


美久に言われて信号の方を見ると美久の言う通り空がいた。


「そーらーくーん!!!」


美久は歩きながら大声で空を呼んだ。すると美久の声に気づいて空はこっちを見た。


「じゃあ私、先行くね?」


「え?」


美久は聞き返す間もなく走り去った。空が美久が走ってきて手をふろうとすると美久は素通りして行った。


「………」


空の目が点になってる


私は美久が走り去った方を見ている空に近づいた。


「なんだ今の…」


「なんか先に行くって言ってたよ。」


「そうか」と言いながら振り向いた空は私を見て目をそらした。


「??…何?どうかした?」


「いや、その、お前休日いつもそんな感じなのか?」


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