白と黒〜2つのリストバンド〜
「嫌がってんのわかんねーの?鈍感」


「なっ…」


空の言葉に男子の顔が少し怒りの色に染まる。


「こいつ俺が送ってくから」


ほら、言った通り。


空は私の背中を押しながら歩き出した。


男子は怒った顔で空を見ていた。


空はしばらく無言で歩くと急に止まった。


「空…?」


「お前あいつに送ってもらいたかった?」


「いや?だって空が送ってくれると思ってたし。そうじゃなかったら一人で帰るつもりだったから。」


私の答えに、空は驚いたような顔をした。


「?」


私何か言った?


「そうか」


「うん」


空は私の手をとって歩き出した。


私誘導されなくても帰路くらいわかるけど…


なぜか家につくまで空はずっと無言だった。


なんか、今日の空変


家の前に来ても空は握った手を話さなかった。


< 40 / 52 >

この作品をシェア

pagetop