白と黒〜2つのリストバンド〜
私はむくれながら振り返った。


「じゃあな」


「うん…」


「また明日な」


空は私が家に入るまでずっと見守っていた。


私は家に入ると、玄関のドアをつたりながら座り込んだ。


「//////」


私はそっと自分の頬に手を当てた。


「…………あつい……」


『───』


頬に手を当てたまま空に言われた言葉を思い出す。


『すきだ…』


私の耳がバカになっていて、聞き違いしていなければ、空は確かにそう言った。


好きって………


た、食べ物とか!


そんな話してなかったし…


バスケが好きだ!


そんなことわざわざ言わないよね…


言ってみただけ!


あんな真剣な顔して…?役者にでもなれるんじゃないの…?


自問自答を繰り返し、一番最初から思っていた考えにたどり着く。


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