白と黒〜2つのリストバンド〜
「手加減の必要ない、というかそんなになめてると負けるよ?」


あんたに負けるほど弱くないっての


私の言葉に男子の顔つきが変わった。




タン タン タン タン


「本当にいいのか?」


「何が?」


「手加減なしで俺ボール、正気?」


「そのくらいがちょうどいいでしょ?」


「その余裕な口たたけなくしてやるよ」


「…」


タン タン タン キュッ キュッ

キュッ


男子はフェイントをかけながら私を抜かそうとした。

──────────

パンッ


「…っ…」


タン タン タン タン───


私はタイミングを見て男子からボールを奪い取り走り出した。


「あいつ早ぇーな…」


男子が私の後ろを全力で追いかけてくる。


けれど男子が追いつく前に


タン タン タン─シュッ


私がシュートを決めた。


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