白と黒〜2つのリストバンド〜
「別に…ちょっと出来るだけ……」


「どんな嫌味だよ…」


「ふふっ…」


男子の返しに私は思わず笑ってしまった。


「あんた強いよね…………」


「お前に言われても嬉しくねーよ」


「あっそ」


褒めたのに


「…………お前、名前は?」


「島崎栞奈…」


「お前本当に女かよ」


男子はちょっと馬鹿にしたように言った。


「正真正銘女子ですけど?てかあんたも名乗んなよ。」


「…俺は白石空、覚えとけよ。栞奈」


空は少し偉そうに言った。


「努力はするわ」


そう言って私は立ち上がった。


「どこいくの」


「帰る、美久たちに帰ったって言っといて。」


私は体育館の入り口まで来ていった。


「……………おい」


「?」


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