私の彼。
美味しい…。

「そんなに美味しかったの?」

先輩は嬉しそうに笑った。

私は小さく頷く。

「そっか。次は口移しがいい?」

冗談で言ってるんだろうけど、冗談に聞こえない。

「……自分で食べます。」

私は先輩の手からパンを受け取ると小さくちぎって食べ始めた。

「いいこいいこ。」

まるで、小さい子をあやすかのように先輩は頭を撫でる。
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