私の彼。
鍵とか、かかってたらどうしようかと思ったけど、その心配は杞憂だったようだ。

久しぶりの家のにおい。

「ただいま。」

私は小さな声で呟いた。

お母さんは私がいなくなって、どう思ったんだろ。久しぶりに帰ってきたけど、喜んでくれるのかな。

そんな期待を抱きながらも私はリビングを覗いた。

リビングのテレビからはお笑い芸人の笑い声が聞こえてくる。明るいテーマソングに耳が疲れる。

ソファに見慣れた母親の後姿が見えた。
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