私の彼。
私はもう一度リビングを覗いた。そこにはさっきと変わらず、テレビの前のソファでくつろいでいる姿があった。

「ねぇ、お母さん。私が転校したって本当?」

私は震えそうな声を我慢しながら喉から搾り出す。

お母さんは私のほうを振り返ることなく言った。

「たしか、そんな話あったわね。」

ここまで無頓着だと笑えてくる。

「貴方の男が貴方と同棲したいから、転校の許可をくれって電話きたから承諾したわ。」

こっちは人生かかっているというのに、お母さんはテレビを見たまま。
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