私の彼。
うそつき、転校なんかじゃない。退学の承諾をお母さんはしたんでしょ。


「さっき、その男から電話があったわよ。夕方迎えに行くから外を楽しんできてって伝言残していってたわ。」

最後まで、私の顔すら見てくれないんだね。

「お母さんは私を愛してる?」

言いかけて、私は急いでその言葉を飲み込む。


私は泣きそうになるのを我慢しながら家を飛び出した。

何処にも行きたくない。でも、何処かに行きたい。

警察署なんてどうでもいい。

もう、一人になりたくない。

お父さんの場所に行きたい。
< 132 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop