私の彼。
「あんれぇ、こりゃべっぴんさんだぁ。」

不意に声をかけてきたのは大量の野菜を軽トラックに載せているおばあさんだった。

「この握り飯食え。うんめぇぞ。」

おばあさんは私の手におにぎりを渡した。

いきなりのことすぎて、焦る私。

「まぁまぁ。すわって。」

そういって、おばあさんは石の上に腰を下ろし、その隣に私を座らせた。

「おめぇさん家出か?」

おばあさんは大根の土を払いながら私に問いかけた。


< 135 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop