私の彼。
「綺麗…。」

田んぼばかりの一本道を進み、森のような場所に入ると大きな桜の木が見えた。

それも、満開でピンクの花びらが月明かりに照らされて光っている。

こんな大きな桜、初めて見る。

既に夜。

やっぱり、先輩でも見つけられなかったね。

私は安心して溜息をついた。

すこしだけ、ほんの少しだけ寝よう。

私は桜の木の近くにあった石に寄りかかり、目をつぶった。
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