私の彼。
声のした方を見ると、先輩が引きつった顔で私を見ていた。

「茜が死んだら俺、ホントに狂っちゃうよ。」

私が死んだら狂うなら、いま、この状況はなんだろう。これは狂ってないの?

「甘やかしておくのはだめみたいだね。たまにはきつくしないと。」

先輩は私をベットに押し倒し、私のうえに馬乗りになった。

もう、恐くない。死んでもいい。なんでもいい。


そう考えると、先輩すらもただの有機物に見えてくる。

「茜。俺をちゃんと見て。」

その言葉すら、私にはとどかない。
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