私の彼。
「藤崎君!」

振り返る彼女は今日も可愛かった。

泣きそうな瞳で俺の事を見ている。俺はそんな彼女からの視線に逃れるように目をそらす。

よく見てみると、荒木は一方通行の道を逆走しようとしているようだった。

天然なのか、ただの馬鹿なのか…。

そんな姿さえ、愛しいと思ってしまうのだから俺は相当ヤバイと思う。

「どこ行きたいんだよ。案内するから。」

荒木は一瞬、目を輝かせてから安心したように笑った。

親戚がここの管理者でよかった…。
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