私の彼。
「あ……か…っ…ね…。」

誰かが呼ぶ声がする。

まぶたを開けると先輩の顔が間近にあった。

「せ、せんぱい!?って、あれ!?ここは!?」

パニック状態の私に先輩が落ついた声で話す。

「茜、教室で倒れてて、保健室連れてったら、睡眠不足って言われた。なんで、ちゃんと寝ないの?」

咎めるようでも責めるようでもなく、先輩は優しく私に問いかけた。

「実は…先輩にバレンタインのチョコあげたくて、いろいろ考えて試してたら、寝る時間なくなっちゃったんです。」

私は制服のポケットからピンク色の袋を取り出した。
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