私の彼。
「今日、なんで俺の部屋に呼んだか分かる?」

先輩は私の言葉をさえぎるように続けた。

先輩の黒い瞳に私の間抜け面が映る。

「茜と離れるとか無理。一緒にいよ?」

先輩の抱きしめる力が強くなった。

怖い。

今すぐにいつもの優しい先輩に戻ってよ!

「震えてるの?かわいい。俺は怖くないよ。」

一瞬だけ、先輩の顔が緩む。

安心したのも束の間…。


「茜がいい子にしてたらだけどね。」
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