私の彼。
「なんでそんなに怯えてるの?俺がいるから安心してよ。」

先輩は震えている私の体を抱きしめた。

今日も先輩の体温が伝わってくるけど、違うの。

いつもみたいなドキドキとは違う。

首筋に嫌な汗が伝った。

「茜、俺だけを見て。」

こんなに怖いのに、どうして、嫌いになれないんだろ。

「せ、先輩、今日は部活に行かなくちゃ…。」

私は先輩の腕の中で小さく呟いた。
< 93 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop