しんちゃんとみぃ

「山本に言ってないー」

ムッとされても
智ちゃんは楽しそう。

「ポテトとシェイクで手を打とう」

腹話術のように私の背中に張り付き
後ろから声を出す智ちゃん。

「智ちゃん!」

なんだよそれー。

「俺も食べたいからいいよ。土曜日さぁ連絡するわ。俺、足の調子が悪くて部活休んで整骨行くから、その帰りに会おう。みぃはCD持って来いよ。マックでデートだ。山本は抜き」

しんちゃんはそう言って
智ちゃんの頭を叩きながら部活へ行ってしまった。

私は
その場で崩れてしまう。
酸素が足りない。
頭がグルグルしているよ。

「倒れないでよ」
笑う智ちゃんにつかまって
足をまだガクガクさせて立ち上がり
智ちゃんの顔をジッと見た。

「アタシいい仕事するでしょ」

「……智ちゃーん」

涙目で智ちゃんと抱き合って、頭の中はタンスの中にあるありったけの服を並べる。

しんちゃんとマック

何を着よう。
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