暁天の星
始まった生物の授業中、考えるのは菫のこと。
ちゃんと食ったかな〜とか、泣き疲れてないかなとか。
晃も晴都もいるから心配はないけど。
あんなになるまで抱え込ませてことに申し訳なさを覚えた。
「龍平。」
右隣の席から呼びかけられる。
さっき休み時間に数学教えてたやつ、妹尾だ。
分かりにくいとか言われててちょっと笑えた。
「お前と繋げてほしいってヤツがいるんだけど、携帯教えていい?」
誰だ?
「いいけど。」
特に断る理由もなかったし。
いっか、って。
「じゃ、教えとくな〜。」
「あいよ〜。」
テキトーに過ぎ去っていく生物の時間。
ノートも取らずに妹尾と話してたら、なんだか意気投合した。
「龍平ん家行きたい