暁天の星
ドキドキしながら待つと、ガチャッと扉が開き、中から人が顔を出した。
「おう。来たな。」
「………。」
返事の代わりに頭を下げる。
僕を出迎えてくれたのはこの家の主。
白い半袖Tシャツにデニムというラフな格好で、ビーサンを引っ掛けながら家から出てきた。
「待ってた。」
そう言ってニッと笑った顔が印象的だった。
「ほら、入んな。」
突っ立っている僕を促し、颯爽と家に入っていくその人を、僕は慌てて追いかけた。
「ここリビングであっちがダイニング。」
そのままリビングまで通され、簡単に間取りの説明を受けた。
朝の戦場がそのまま残った生活感のすごくある家。
小さな青いパジャマが脱いだ形のまま、ソファに置いてある。
此処が、これから僕の家になるという実感がまるで無い。
吹き抜けの天井が印象的な室内は、まだどこか人の家の匂いがした。
その後に、ダイニングにある大きい木のテーブルに通される。
「ココ。座って。」
ぺこりと頭を下げる僕に、その人は笑ってお茶を淹れてくれた。