暁天の星


そのままどこかへ駆けて行った奴らを見送って、仕方なくトイレから出る。


周りの目が気になって、こんな所にいれないと思った。




何もしてないのに…。



とりあえず保健室で着替えを貸してくれるはずだから声をかけてみることにした。




「失礼します…。」



静かな白い部屋には、優しい女の先生がいた。何だかリカちゃんみたい…。




「あらっ!どうしたの!」



慌てて駆け寄ってきてくれた保健室の先生。




「ちょっと転びました…。」

「えっ!?そんな風には見えないけど!?」




ビシャビシャの服を軽く拭いてくれた先生は、代わりの服を渡してくれた。


洗濯するのはリカちゃんなのに。何て言おう…。




「そういえばお名前聞いてなかった!これに記入してもらえる?」



着替えた僕は、簡易化的な椅子に腰掛けて保健室利用者用紙の欄を埋める。



先生はそれを向かい側に座って見てた。



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