暁天の星


「ナツの友達?」



里香ちゃんが問いかけてきたから慌てて頷いた。




細身のスキニーのポケットに手を突っ込んだ晃が、マサルくんを見る。



マサルくんは屈託のない笑顔をアキラに向けていた。




「同じクラスの井上 マサルです、初めまして!」

「那月の保護者です、どーも。」

「なつきくん、今日は早退なんですよね…。お大事にしてください。」

「…おっ。テメーいい度胸してんな。」




ん?

晃?




「えっ?」



案の定、少し動揺してるマサルくん。



と、それ以上に動揺してる里香ちゃん…。




「ちょっと晃!?」




そんな里香ちゃんに御構い無しの晃。


マサルくんにトドメの一撃。




「お前?うちんとこのガキに水ぶっかけてくれた頭の悪いやつ。」




マサルくんの顔が一瞬淡白になった。


晃…。


すごいよ、アンタ…。




「えっと…なんのことですか?」

「宣戦布告だ。じゃあなガキ。」



笑ってそのままスタスタ歩いていく晃をポカーンと見送ってしまった僕と里香ちゃん。




「ちょ、晃!!すみません!お世話になりました!帰るよ、ナツ。」



その後を里香ちゃんと追った。



なんつーか…。


明日からの僕が心配…。



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