暁天の星


ーー3時間後。



ようやく装飾が終わった…。

颯太が俺を呼びながらこっちに走ってくる。



「りゅうりゅうりゅうりゅうりゅう〜!!」

「どうした?」

「ナツはいつ帰ってくるの?」

「全部の準備が終わればかな」

「うーん、じゃあスミレと遊んでよ〜」



実際こんなに長引いたのもこいつらのせいだ。遊んでばっかだったろ。いいんだけど。



「りゅう〜!髪結んで!」

「ほらここ座れ」

「早くー。りゅう早くー」

「はいはい」



俺よりも遥かに小さい手で、ゴムとブラシを渡してくるから素直にそれを受け取った。



いつもみたいに菫の髪を結わえる。


今日は高い位置でポニーテールにして、右側には編み込みをしてやった。




菫を待つ颯太が俺の隣でウズウズと待ってる。


チッ。可愛いから許す。




ポニーテールをしてやったら、俺の足の間に座る菫を立たせてお尻をポンと押す。出来たって合図だ。



ドタドタ走り回る奴らを見て、微笑ましい気持ちになった。





さてと。


あとは里香だな。



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