暁天の星
まだ寝続ける妃那を見ながら、里香を手伝いにカウンター式のキッチンへ向かう。
「里香。手伝う」
「ありがとう〜!じゃ、春巻き巻いてね!」
お、美味そう。
「晃はまだ仕事?」
「連絡ないんだよね。忙しいのかな?」
「まあ朝早くから出て行ったから、その分早く帰ってこれんじゃね?」
「そうだといいな〜。あ!ちょっとリュウ!」
「なに?」
「春巻き巻くの上手すぎ!」
「お前がヘタクソなの。」
「ひっどーい。」
も〜!って言いながら何だかんだこいつは笑ってくれる。
「ん?何かついてる?」
「何でもねえよ。」
「…………見惚れてたとか可愛いこと言えばいいのに〜。」
「バーカ。」
可愛かった、なんて言ってやんねえ。