暁天の星


【晴都】


チッ。


里香の野郎…。




朝早くから里香に叩き起こされて、いきなりお守りを任された。


別にいいんだけど、眠りを妨げられた俺は最高に機嫌が悪い。




「お前どっか行きたいとこある?」

「特にない…。」



だろうな。


俺もねえもん。




行く所もなく、適当に隣町まで出てきたはいいものの、やることもないからとりあえず喫茶店に入ることにした。



家で歓迎会の準備が終わるまで、コイツを連れ出さにゃならん。




土曜だからか賑やかな店内は、今の俺たちの静まり返った空気と対照的だった。



うん、このままってわけにもいかねえしな、一か八か話しかけてみる。




「お前はさ、家に来た理由なんなの?」



いきなり重すぎたか?



「えっ。」


びっくりした顔の那月。



ですよね〜。




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