暁天の星


下に降りる前に里香の部屋をノックする。



待っても返事がねえからドアを開けてやった。


ベッドで横になって顔だけこっちに向ける里香が見える。




「ハル〜、ごめんね…。」


死にそうじゃねえかよ。





「いいから休んでろ。俺今から昼飯作るから。」

「ありがとう…。」




制服は着替えてあるみたいだし、洗濯物も洗濯機の中にいれてあった。


病人なのにしっかりしてんなぁ。




「飯できたら来るから。」



里香にそれだけ言って部屋を出ようとした時、枕元にある里香の携帯が軽快に鳴った。


なんだけど、あまりにも里香が出ないからちょっと不審に思う。




「おい、携帯鳴ってるけど晃から?それなら俺から連絡しておくけど。」




寝ずにいた里香に問いただす。




「違う…。原田くんから。」



原田くん?




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