暁天の星
「誰そいつ。」
「クラスの子。」
ふーん。
俺の顔を見た里香が眉を寄せる。
「なに?心配してくれてるんだよ。」
「それはお優しいね。」
病人心配すんなら電話するなよって俺は思っちゃうんでね。
と、また携帯が鳴った。
「またそいつ?」
「多分…。さっきからかかってきてる。」
切れたと思ったらまた間隔をあけてかけてくるらしい。
「しつこすぎねえ?」
「うーん…、でも熱出して帰っちゃったし。」
どんだけお人好しなんだよ。
「もういい。携帯貸せ。」
怠いから携帯の電源を落とした。
これでかけてこれねえな。
熱でしんどそうな里香を見て、布団をかけ直す。
リュウも昼頃に帰ってくるから、4人分の飯作って待ってようと思った。